不動産業界 新卒採用数ランキング 2021年10月集計
上場している不動産会社115社（※）のうち、過去3年間の新卒採用数を公表している68社について、採用人数が多い順にランキング形式でご紹介します。また、男女別の採用数についても、公表されている場合はデータを掲載しました。コロナ禍で、不動産業界の就職事情はどのように変化したのでしょうか。（リビンマガジンBiz編集部）
※編集部基準
集計方法
・2021年10月22日に、公式サイトや採用サイトなどを参照し独自集計
・「2020年」「2019年」「2018年」「過去3年の合計数」を集計
・東急不動産ホールディングスは公式採用情報ページに掲載されている18社の合計値を集計
・野村不動産ホールディングスは公式採用情報ページに掲載されている9社の合計値を集計
・三重交通グループホールディングスは公式採用情報ページに掲載されている18社の合計値を集計
・スターツコーポレーション、オープンハウス、日神グループホールディングス、APAMAN、リログループは、各グループ全体の新卒採用数を集計
・スター・マイカ・ホールディングスはスター・マイカ、ＡＤワークスグループはエー・ディー・ワークス、サンネクスタグループは日本社宅サービスの数値を集計
画像＝写真AC
過去3年で新卒採用数500人以上の不動産企業は4社 オープンハウスGが採用数を伸ばす
東急不動産HDグループの各子会社の新卒採用数を見ていくと、グループ内で新卒採用数第1位だった不動産会社「東急リバブル」が、2019年の新卒採用数が189人だったところ、2020年は113人と大きく採用数を減らしました。また、2019年には121人の新卒を雇用していたマンション管理会社「東急コミュニティー」が、2020年は90人に減少し、コロナ禍の影響を感じさせる結果となっています。1位は前回調査と同じく東急不動産ホールディングスで、公式サイトの「採用情報」に掲載中のグループ企業18社の新卒採用数の合計は過去3年で1,521人となっています。昨年の同様の調査からは250人余り新卒採用数が減る結果となりましたが、依然として業界第一位の新卒採用数を維持しています。
参考サイト
「不動産業界 新卒採用数ランキング 2020年11月集計」
2位はスターツコーポレーションで、スターツグループ全体での新卒採用数過去3年分の合計は921人となりました。3位は野村不動産ホールディングスで、過去3年の新規採用数は合計833人となっています。昨年の調査でも新卒採用数が多かった3社が今回も上位を独占する形となりました。
また、野村不動産HDに関して、子会社別の集計を見ると、野村不動産HDの直接の関連子会社である総合不動産会社「野村不動産」の新卒採用数は、2019年は52名であったところ、2020年は65名と、コロナ禍でも新卒採用数を増やしています。また、グループ中新卒採用数第一位を誇る、不動産流通ビジネスを手掛ける「野村不動産ソリューションズ」も、2019年の92名から2020年の101名に増加しています。
このように、大手不動産企業のグループ会社でも、東急不動産HDグループのようにコロナ禍で新卒採用数を減らした会社もあれば、野村不動産グループのように維持ないし増加させている企業もあり、各企業の内情がさまざまであることが窺い知れます。
上位3社のほかに、唯一500人以上の新卒採用を行っていたのがオープンハウスです。2020年の新卒採用数は集計時点では不明であり、2018年、2019年の2年分の集計で536人ですから、3年分を合わせると700名以上の新卒採用をしていると推測できます。
オープンハウスの新卒採用大幅増は、今年からグループ全体での新卒採用数を公表したことが主な原因です。同社は、コロナ禍で、都心に快適な住まいを求める需要が増加したことにより、売上が上がっている企業の一つです。このビジネスチャンスに乗って、引き続き多くの雇用を生み出していくことでしょう。
コロナ禍により新規採用を控え、過去の採用実績が非公表となっている企業は去年よりさらに増え、集計の母数は前回調査の75社から68社にまで減少しました。今後は、ワクチン効果により経済が安定し、さらに雇用が増えていくことを期待します。
