不動産業界　時価総額ランキング　2021

不動産業界　時価総額ランキング　2021

上場している不動産企業115社（※）につき、2021年8月25日時点の時価総額をランキングしました。併せて、昨年9月の時価総額と比較、増減率を出しました。時価総額は投資家から見たその会社の価値や将来性を表します。コロナ禍による各国銀行の金融緩和により資産バブルが起きる中で、不動産業界全体の傾向を俯瞰します。（リビンマガジンBiz編集部）

※＝編集部基準

集計方法
・2021年8月25日時点の時価総額を集計
・「売上高」は2020年5月期から2021年4月期までの最新の有価証券報告書を元に集計

三井不動産が首位　昨年の株価より約3割増加

1位は三井不動産で、8月25日時点の時価総額は2兆3,924億6,400万円でした。時価総額の調査を開始した2017年11月以降、毎年、1位はずっと三菱地所がキープしていましたが、今年は、不動産業界唯一の売上高2兆円企業である三井不動産が首位を奪う結果となりました。

参考サイト
「不動産業界　時価総額ランキング　2020」

三井不動産は大手不動産企業のうちでも、コロナ禍による影響が大きかった企業とされ、特に商業施設へのダメージが懸念されていました。しかしながら、同社の地力の高さや、コロナ禍による巣ごもりで、都心に住み心地のいい住宅を求める動きが高まったことなどが好材料とされ、昨年9月の調査よりも31％時価総額が増加する結果となりました。2020年末に、東京ドームを買収して、日本に三井不動産ありという威厳を示したことも、プラスに働いたのでしょう。

2位は三菱地所で、時価総額は 2兆3,676億100万円でした。昨年9月の調査時点から時価総額は5％の微増となっており、3割を超える大幅回復を見せた三井不動産にわずかに及ばない結果となりました。とはいえ、2位と言っても、三井不動産との差は248億6,300万円で、この規模の企業としては誤差の範囲といえます。

三菱地所は昨年の調査で唯一、時価総額2兆円を維持した企業です。緊急事態であっても時価総額の上下動が少なく、堅実な企業として投資家からの高い評価を維持していることが窺えます。

3位は住友不動産で、時価総額は1兆6,762億9,900万円でした。昨年の調査より15％増加しています。上場不動産企業ではこの3社のみが時価総額1兆円を超えていました。