不動産業界 営業C/F ランキング 2020

上場不動産企業115社(※)を対象に、営業活動によるキャッシュフローが多い順にランキングしました。営業キャッシュフロー(営業C/F)とは商品の仕入れ・販売、人件費や経費などの営業活動にかかったお金の流れを表し、支出よりも収入が多いとプラスになります。営業活動の結果、資金(キャッシュ)をより多く手元に残した企業を紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

※注=編集部基準


集計方法

・「正社員数」および「非正社員数」は、2019年9月期~2020年8月期の各社の有価証券報告書より集計

・連結決算の場合は連結数値を採用

画像=写真AC


営業C/F1,000億円以上の不動産企業は4社! 1位は東京丸の内のあの会社

1位は三菱地所で、営業キャッシュフローは3,417億6,600万円となりました。三菱地所は東京・丸の内を中心に、オフィスビルや商業施設等の開発・賃貸・管理を手掛ける、不動産業界売上第2位の総合デベロッパーです。安定した経営とブランド力で、コロナ禍においても投資家から人気があり、時価総額では不動産業界1位を誇ります。

三菱地所の営業キャッシュフローは、前年度比ではマイナス41億8,700万円となりましたが、調査した115社の中で唯一3,000億円を超えていました。同社の効率性の高い営業活動と鉄壁の資金力は、営業キャッシュフローの側面から見ても一目瞭然であり、コロナ禍の不安定な時代だからこそ、この企業の株が買われるのも頷けます。

2位はヒューリックで、営業キャッシュフローは2,311億8,000万円です。ヒューリックは東京23区の駅近にあるオフィスビルや商業施設等の賃貸を行っています。主なテナントがみずほフィナンシャルグループであることもあって、低い空室率を維持しており、営業キャッシュフローは前年比でも1,002億700万円増加しています。

3位は住友不動産で、営業キャッシュフローは2,304億5,800万円でした。住友不動産は住友グループに属する財閥系総合不動産会社で、「住友不動産御成門タワー」「住友不動産新宿セントラルパークタワー」などのビル賃貸を手掛けています。営業キャッシュフローは前期比では295億9,900万円マイナスとなりましたが、堅実な経営を続けています。

4位はイオンモールで、営業キャッシュフローは1,336億4,500万円となっています。イオンモールはイオングループのデベロッパー事業を担当しており、イオングループ各社に店舗を賃貸しています。前年比で906億円の増加となりました。

5位から10位までは以下の通りとなっています。

 

営業キャッシュフローは、企業が成長のために積極的に支出を行っているケースもあるため、マイナスだからと言っても必ずしも悪いというわけではなりません。営業キャッシュフローがマイナスでも、売上高が昨年よりも増加しており、黒字経営の場合は、成長のための支出だと読み取れます。

とはいえ、営業キャッシュフローの数字は、会社の手元に多くの資金(キャッシュ)が残ったという証明であるので、基本的にはプラスの企業ほど安定した経営状態であるといえます。先の読めないコロナ禍の状況においては、各社の売上高や経常利益の額だけではなく、営業C/Fの数字にも注目してみることをお勧めします。

不動産業界 営業C/F ランキング 2020

集計方法

・「正社員数」および「非正社員数」は、2019年9月期~2020年8月期の各社の有価証券報告書より集計

・連結決算の場合は連結数値を採用

不動産業界 営業C/F ランキング 2020

集計方法

・「正社員数」および「非正社員数」は、2019年9月期~2020年8月期の各社の有価証券報告書より集計

・連結決算の場合は連結数値を採用

 
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