日本における不動産業全体の売上高は39兆3,835億円にものぼります。(※1)この売上高を生み出しているのは、大小様々な不動産会社です。上場している不動産企業を、売上別にランキング化し紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

※注1(財務総合政策研究所)

(画像=写真AC)

上場企業の中で、不動産業を主力事業としている企業は105社あります(※2)。ここ数年の不動産市場の好況を反映して、全企業合計の売上高は前年から1.09倍に伸び、9兆6,756億円となりました。前年よりも売り上げが低下した企業は、14社のみでした。
※注2(編集部基準)

売上増収企業と減収企業の割合

1位から25位はこちら

1位の三井不動産は、日本国内に所有するオフィスビルが好調で、賃料収入が増加しました。また住宅流通、そして新規物件の開発事業も好調でした。
2位の三菱地所も、首都圏に所有するビルの賃料上昇や、開発したマンションの販売増加が売上増につながっています。
3位の住友不動産も同様に、既存ビルの賃料上昇と、マンションの分譲が好調のため売上増になりました。

※ランキングはページ下部のリンクから

元証券アナリストでキャリアプランナーの柴沼直美氏は、上位に入る大手企業の売上上昇率に注目します。

今回のランキングで売上を伸ばしているのは、柔軟性に富み、今の時代の流れをうまくとらえている会社といえます

具体的には、以下の2つが今回売り上げを伸ばした企業の要因です。

・首都圏・京阪神等人口集中地域の投資用マンションの好調

・賃貸を中心とした不動産開発およびビル・オフィスの賃料の上昇

1つずつ具体的な企業を見ながら解説します。

首都圏・京阪神等人口集中地域の投資用マンションの好調

売上が前年比約1.3倍だった17位のプレサンスコーポレーションは、関西を中心とした投資用ワンルーム・ファミリーマンションの開発・販売事業を展開しています。2016年、新大阪駅近くに建設した投資用マンション「プレサンス新大阪ザ・シティ」などの販売が順調に推移しました。都市部の利便性の高い立地に投資用マンションを建設し、販売することが売上の増収の要因といえます。また、同年11月には、愛知県三河地区・静岡県浜松市周辺でマンション供給実績を持つ、三立プレコンを完全子会社化し、今後は東海地方都市部での事業拡大を図っています。

23位シノケングループも、売上を前年の1.5倍に伸ばしています。これは、資産形成を目的としたアパート販売や、首都圏の投資用マンション販売が堅調に推移したことが要因です。

※ランキングはページ下部のリンクから

賃貸を中心としたオフィス開発および賃料の上昇


オフィス開発事業と、賃料上昇も売上好調の要因であると柴沼氏は語ります。

先述したように、ランキング上位に位置する大手企業の多くがオフィスビル開発や、オフィス賃料の上昇によって売上を伸ばしています。三菱地所では、2017年2月に竣工した「大手町パークビル」が売上増収に寄与しています。現在でも、東京5区のオフィス空室率は3%台(※2)と、空室率が低く推移しており、当分は高いオフィス需要が維持されると考えられます。

首都圏に基盤を置く30位のトーセイは、マンション開発や不動産流通化を手掛ける企業です。収益オフィスビル・賃貸マンション等を51棟取得し、不動産賃貸事業の売り上げが前年度比33%増加しました。その好調ぶりが連続純益を更新している要因になっています。
※注3(9月度 三鬼商事調べ)

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