早いもので、2016年最後のコラムとなりました。前回は「収益区分マンションを高値で売る秘訣」というシリーズの第4回「最も高い金額で買ってくれるのは?」というテーマでお伝えしました。今回は、このテーマの最後、「売却完了までのスピードの重要性」についてお伝えいたします。



 

「未公開情報」と「公開情報」の価値の差


不動産会社の内情となりますが、ある程度の規模の会社になりますと、買い取り担当または仕入れ担当、といった方々がいます。不動産会社は、物件を仕入れ、そこに付加価値を付けて売却し、その利ザヤを稼ぐ、というやり方を行います。

 

例えば、中古物件を捌きたい場合、そのような仕入れ担当の方々に連絡し、売却先を開拓していきます。

 

先方も、物件を仕入れなくては、売るものがありません。ですから、そのような情報はもちろんほしいし、どうしても必要なのです。その場面では、業者間の話ですから、レインズに載せていない未公開物件ということになります。

実は、物件をレインズに出すという行為は、未公開から公開へと物件のステイタスが大きく変わる瞬間なのです。

もし、レインズに公開されてしまうと、物件の価値は著しく下がってしまいます。そこで大部分の不動産会社では、レインズへ出す前に、スピード勝負で未公開状態の情報を、知り合いの業者、売却がスムーズに進みそうな業者に出していきます



 

「1週間」の意味

売り主と仲介業者の間の契約形態は、1.専属専任媒介 2.専任媒介 3.一般媒介 の3つあることは、以前のコラムでお伝えしました。専任媒介契約となると、売却を請け負ってから1週間後にはレインズへ登録しなければいけません。従って情報をオープンにするまでの「7営業日」が勝負なのです。良い物件は、基本的には1週間で決まります。媒介契約書において、仲介期間は、普通3カ月単位ですが、3カ月間営業しても、実際には意味がありません。

 

これは、収益区分マンションに限らず、ほとんどの不動産にも当てはまります。

 

もし、1カ月で客付けできない業者は、2カ月以上頼んでも成約に結び付けることは、なかなか難しいのではないでしょうか。

従って、「値付け」がとても重要なこととなるわけです。というのは、不動産売買は「指値」が一般的ですので、売却希望価格より高めの金額から売りだし始めるケースが大部分です。

買いたたかれない金額で、しかも買主が指値を入れたくなる金額を設定することが、不動産のプロの腕の見せ所となるわけです。

 

さて、5回に渡って、「収益区分マンションを高値で売る方法」というテーマでお伝えしてきました。

2016年も残すところあと1週間となりました。慌ただしい日々が続きますが、どうか読者の皆様は、風邪などひかないようくれぐれもご自愛ください。

来年も、皆様にお役に立てるコラムを発信していきますので、どうぞご期待ください。

それでは、皆さんどうぞ良いお年をお迎えください!

 
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