毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」

業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)

【問題】
不動産営業のAさんは、日曜日に自身が担当する直物件を案内し、値段交渉なしの満額で買付を取得しました。この買主様は現金顧客なのでローンの利用もありません。
Aさんは買主様に対し、何曜日を契約日として提案すべきでしょうか?

【答え】
翌日の月曜日

正解できましたか?
上記のような質問をすると、多くの営業パーソンが「ん~?次の週末に契約かな?」と答えます。


(撮影=リビンマガジンBiz編集部)

では、「なぜ次の週末に契約するのですか?」と尋ねると
①「土曜日・日曜日がお休みの方が多いから」
②「契約を急かすような印象を与えてはいけないから」
③「重要事項説明書や契約書の作成に時間が必要だから」

といった答えが返ってきます。

あなたも①~③のように思っておられるなら…営業に対する考え方や姿勢、契約準備の方法を根本的に改めてください
では、①~③の考え方がなぜ間違っているのかを、これから解説致します。

①の「土曜日・日曜日がお休みの方が多いから」ですが、平日のお仕事が終わってから契約していたければ良いだけです。「契約は休日にするもの」と思い込んでいる営業パーソンが時々います。しかし、勝手な思い込みは捨ててください。

②の「契約を急かすような印象を与えてはいけないから」ですが、これも間違いです。この買主様は既に買付証明を出しておられる訳ですから、購入の意思確認はできており「急かす」ことには当たりません。

「契約を急かしてる」とあなたが感じるなら、それは買付証明の取り方が強引だったのではないですか?

買付を強引に取り、契約日が翌日なんてことになれば、確かに買主様は不信感を抱かれるでしょう。
しかし、納得して買付証明を出された買主様に対し、翌日契約を提案することは何ら問題のない行為です。

③の「重要事項説明書や契約書の作成に時間が必要だから」は最悪の理由ですね。
担当する物件の重要事項説明書と売買契約書くらいは、売主からの媒介契約受託直後におおよそ完成させておきましょう。特に重要事項説明書ができていないということは、物件調査が不十分である可能性があります

買付を貰ってから調査ミスが判明した場合、買主様の購入意欲は一気に減退します。購入意欲の減退どころか「こんないい加減な不動産屋から買うのはやめよう」と思われるかもしれません。
業物(ぎょうぶつ:先物)に対する買付ならいざ知らず、自身が担当する直物件なのですから「いつでも、どこでも契約できる」ように準備が必要です。

つまり「悩んでおられる買主様を強引に契約へ引っぱること」と「既に購入の意思表示をされている買主様に直近での契約日を提案すること」は全く意味合いが違うということを覚えておいてください。

そして、素早い契約を実現するためには事前の準備が重要であることも、あわせて覚えておいてください。

本日の格言
・営業担当者が「契約を急かしている」と感じるときは、そもそもの買付証明が強引だった可能性がある!
・重要事項説明書や契約書は、売主との媒介契約締結後にはおおよそ完成させおき、スピーディーな対応を心がけるべし!

 
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