毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業マンの心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。

「不動産一括査定サイト」、と言えば弊社も同様のサービスを運営しています。その受託するためには「反響にイライラしてはいけない」、と梶本さんは言います(決してステマ記事ではありません)。その理由とはなんでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)


(画像=写真AC)

あなたの会社では、「売りのお客様」を集めるために、不動産一括査定サイトを利用していますか?
もし、一括査定サイトを利用しておられるなら次のように思っていませんか?
「一括査定サイトからのお客様は売却意思が弱いのでイライラする」…と。

リビンマガジンBizのコラムでこんなことを書くのはアレですが…「一括査定サイトからのお客様は売却意思が弱くて当たり前」なんです。

そもそも一括査定サイトは基本的に「売却意思の有無を担保したサービスではない」という考えのもと運営しています。一括査定サイトが実施している集客施策はネット広告が主です。ネット広告という性質上、売却確度の線引きは困難といえます。

一括査定サイトの中には明らかにお客様をミスリードし、「とにかく問い合わせが増えれば良い」と受け取られても不思議ではない広告を出稿しているサイトも散見されます。こんなサイトを利用してしまうと、「お金ばかりかかり、まったく受託できない」なんてことにもなりかねません。こういったサイトには注意が必要です。

では、「一括査定サイトの利用なんかヤメちまえ!」ってことかというと、そうではありません。

むしろ、一括査定サイトは積極的に活用するべきです

これから、その理由を説明します。

売り反響が濃いという錯覚

不動産の営業マンは、「買いのお客様」と連絡が取れないことには慣れてきました(まぁ、これも問題ですが)。しかし「売りのお客様」はしっかりと向き合えってくれると考えがちです。
なぜ、そのような考え方になるかというと、一括査定サイトが普及する前の売り反響の情報源は「紹介」だったり「チラシ」だったり「既契約」がほとんどでした。割と売却意思が固まってから問い合わせをされる方が多数だったんです。

こういった過去の傾向に引っ張られて、「売りのお客様は、買いのお客様と異なり真剣に向き合ってくれる」という考え方になるのです。この考え方が更に変な方向へ発展した結果「真剣じゃない売り反響なんかゴミだ!相手にする必要がない!」という発想になってしまったと私は思っています。

したがって「売却意思の有無を担保したサービスではない」一括査定サイトからの反響を受けるとイライラして、最後には怒り出したくなるのです。

しかし、ここでよく考えてくださいね。昔って売りの問い合わせって少なかったですよね。

みんな、「売りの反響を増やすにはどうすれば良いんだ?」って真剣に考えていましたよね。それが一括査定の普及以降、1件1万円ちょっとで売り反響を「買える」時代になったんですよ。

これって凄くないですか?

つまり「売りの反響は真剣な方が多いから、なんとかして全て受託に繋げよう」という考え方から、「一括査定の反響は薄いけれど、せめて10件に1件は受託しよう。10件に1件でも受託単価が十数万円なら安いものだ」という考え方にチェンジする必要があるのです。

では、10件に1件しか受託できないとして、残りの9件はどうしましょう?
ほったらかしにしますか?

それはもったいないですよね?

即決いただけなかった残り9件のお客様に対しては、年賀状や暑中見舞いを送ったり、自社開催の売却相談会の案内状を送ったりして関係を切らないように努めましょう。そして、お客様が「いざ!売却だ!」というタイミングに選んでもらえる不動産会社になりましょう。

私がコンサルを行っているクライアントに対しては「一括査定サイト総反響の内、10%は即決での受託を目指し、追客による受託で5%取る。トータルで一括査定サイト受託率15%を目指しましょう」と提案しています。

不動産業界は「買いの追客」は力を入れるのに、「売りの追客」は疎かになっていたように感じます。

まぁ、買いのお客様に対しては「あれからどうですか?」とか「良い物件が出ましたよ」と追客できますが、売りのお客様は追客するきっかけ作りが難しいですから仕方ないかもしれません。しかし、今後は売りの追客も力を入れて下さい。

最後に一括査定サイトを使用する際の心構えをお伝えします。

1件1件の問い合わせに一喜一憂(一怒?)するのではなく、冷静に淡々と応対し、即決いただけなかった方も粘り強く追いかける。つまり「イライラ厳禁」が一括査定サイトの向き合う基本的なスタイルです。

「玉石混交」の一括査定サイト反響ですが、イライラせずに「石の中から玉を見つけ」、そしてその後は「石が玉になる瞬間を見逃さない」ことが大切だと覚えておいて下さい。

本日の格言
・一括査定サイトは「イライラ厳禁」。玉石混交の反響の中から玉を見つけるべし!
・粘り強く追いかけることで「石が玉になる瞬間」を見逃すな!

 
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