2015年5月に「空き家対策特別措置法」が施行されたことは記憶に新しいですね。
こういった制度が実行されること自体が、古民家をはじめとした空き家の急増を表しているのではないでしょうか。
ただ、売主がいくら空き家を売却しようとしても、条件が悪ければなかなか買主も現れません。
こういった状況を回避するのに、「ホームステージング」という方法で売却する事例が増えてきています。
ここでは、このホームステージングのメリット・デメリット、その費用について紹介していきます。
ホームステージングの特徴とメリット
そもそもホームステージングとは何か、簡単に触れておきましょう。この手法は中古不動産売買の活発なアメリカで生まれたもので、マンションや戸建ての家のもつ魅力を最大限に引き出して買主にアピールするためのものです。
具体的には、インテリアや家具、小物類まで、センスの良いものを揃えつつ、生活感が混ざる中にも、その住居に移り住んだ場合の理想的な空間を演出します。
売却物件を綺麗にして魅力的に見せる工夫は誰にでもできるかもしれませんが、本当に魅力的な空間を演出することは、素人にはなかなか難しいものです。本場アメリカでは、「ホームステージャー」という専門職がいて、非常に人気の職種となっているようです。
ホームステージングされた空間は、そのまま使用するのではないにしても、引っ越してきたあと、自分たちが部屋づくりをする際の手本ともなり、ここにもメリットがあると言えます。
ホームステージングのデメリットと費用
反対にデメリットとして考えられるのは、せっかくの演出が「押しつけ」と捉えられてしまうことです。部屋づくりは個人の趣味嗜好が反映されますので、全員が気にいるとは限らないということに注意する必要があります。
また何と言ってもコスト面がデメリットになることを心配する人も多いようです。ホームステージングにかかる費用は安くて5万円から、概ね10万円前後で、高額なものでは30万円ほどになります。この費用は売主の負担になりますが、この分を売却金額に上乗せすることは、買主に敬遠されてしまうというリスクを持ちます。ホームステージング費用は基本的に売主負担になるということを最初に覚悟しておくことも重要です。
以上ホームステージングについて概観しましたが、いかがでしょうか。
施行を専門的に扱っている会社も増えてきているようですので、実際に行うときは、いくつかの会社に相談し、自分のケースに見合った会社を選ぶことをお勧めします。