最近、親の自宅を売却したお客さんのお話です。

そのお客さんから、最近すっかり葬儀の主流となってきている家族葬について知ることになりました。

その方の親の葬儀費用はなんと30万円であったとのこととのことです。

柩(ひつぎ)と霊柩車(れいきゅうしゃ)に骨壺(こつつぼ)そして火葬代でその金額で充分に足りたとのことです。

葬儀ではお坊さんも呼ばなかったようですからもちろん戒名(かいみょう)もないそうです。

家族は全員無宗教だから遺骨は公園墓地に埋葬したようです。

日本における葬儀に関する意識が激変していることは確かです。

葬儀業界の方から聞いたお話では、すでに都内の葬儀の8割ほどが家族葬であるようです。

さて、ここで家族葬の根源でもある葬儀について少し雑学的に考察してみましょう。

人の死のあとにはじまるいわゆる「死者を弔う儀式」は人類の歴史とともに始まっています。

考古学上も日本においては縄文時代の前の旧石器時代にはいわゆる死者を土葬にして儀式を行ったとされています。

その後の弥生時代にも「死者の葬法」の主流は土葬(どそう)であったようです。

この死者の葬法は、土葬(どそう)火葬(かそう)水葬(すいそう)林葬(りんそう)風葬(ふうそう))の四葬となっていますが、インドやネパール・チベットでは林葬のひとつとして鳥葬(ちょうそう)もあります。

チベットでは今でも死者を山の奥深く運び鳥によって死者を天空に還すようになっています。

日本ではさらに古墳時代に入っても土葬が主体であったようです。

ところが7世紀にはいると徐々に火葬が出てそれが普及してきました。

この時代は土葬と火葬の共存していた時代でもあるのです。

年寄りがよく言う話に「昔は土葬だった」というのは、日本の葬法の歴史としては不正確なお話です。

この火葬の始源は古代インドが発祥とされていまして仏教とともに中国から日本に伝わったとされています。

火葬という仏教思想が葬法においても伝授されたもののようである。7世紀の日本においては歴史的に仏教伝来前後の持統・文武天皇の火葬が火葬の始源も言われていますがその歴史的検証はさだかではないようです。

さて、その葬儀の宗教的な区分としては、現在の日本における葬儀の93%が仏教で4%が神道そして1%がキリスト教と言われています。

やはり圧倒的に仏式の葬儀であることには間違いないようです。(つづく・・・)

 
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