全国の新設着工戸数を見ると1都3県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の南関東圏が全体の3分の1を占めています。その半数近くが東京都内で増加しています。今回は南関東圏及び東京都内の住宅着工戸数の動向について見ていきましょう。

【南関東圏】

 南関東圏の9月度新設住宅着工戸数は、前年同月比22.9%増の31,181戸となり、2ヶ月ぶりに前年同月を上回りました。

利用関係別に着目すると、持家は前年同月比2.6%増で2ヶ月ぶりに前年同月比を上回り、分譲一戸建住宅は前年同月比20.4%増、賃貸は前年同月比18.4%増でともに6ヶ月連続で前年同月を上回った。また、分譲マンションも前年同月比75.1%増で4ヶ月ぶりに前年同月を上回り、南関東圏内の住宅着工戸数は、どの部門においても増加傾向にある。

 新築マンションにおいて、10月の供給戸数は2,903戸で前年同月比0.6%減となり、2ヶ月ぶりに前年同月比を下回りました。一方、中古マンションにおける10月の新規登録件数は、前年同月比6.0%増の17,313件で22ヶ月連続して前年同月を上回りました。成約平均価格は前年同月比6.4%上昇の3,136万円、成約㎡単価は前年同月比6.1%上昇の48.58万円/㎡でともに46ヶ月連続して上回りました。

【東京都内】

 東京都内の9月度新設住宅着工戸数は、前年同月比20.1%増の13,607戸となり、2ヶ月ぶりに前年同月比を上回りました。

利用関係別に着目すると、持家は前年同月比2.5%減で2ヶ月ぶりに前年同月比を下回り、分譲一戸建住宅も前年同月比2.2%減で6ヶ月ぶりに前年同月比を下回りました。一方、賃貸は前年同月比12.8%増で6ヶ月連続して前年同月比を上回り、分譲マンションは前年同月比68.9%増で4ヶ月ぶりに前年同月比を上回りました。特に分譲マンションにおいては、

 新築マンションにおいて、10月の供給戸数は1,248戸で前年同月比10.5%増となり、2ヶ月連続して前年同月比を上回りました。また、中古マンションにおける10月の新規登録件数は、前年同月比7.2%増の10,168件で20ヶ月連続して上回りました。成約平均価格は前年同月比3.8%上昇の3,827万円で27ヶ月連続して上回りました。成約㎡単価は前年同月比3.2%上昇し63.89万円/㎡で、46ヶ月連続して前年同月を上回りました。

 南関東圏全体において、持家の戸数は伸びず、2014年以降減少傾向にありますが、貸家に関しては、今年の後期以降徐々に上昇してきています。今後どのような動きを見せるか注目です。分譲住宅の戸数も緩やかな増加傾向に見られ、近年の都市再開発が進むにつれて、ファミリータイプや単身赴任の賃貸マンション等の建設が進み、東京都内だけで見ても近年、分譲マンションの戸数が伸びてきています。今後、オリンピックに向けた建設と消費税増税や日銀の金融政策でどのような動きを見せるか注目です。


 
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